高齢者の住み替えについて

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高齢者の住み替えについて


執筆者
会社名
HP
: 半田典久
: 多摩プランニングオフィス
: http://www.tama-p.jp/

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最近は、少子高齢化といわれるように高齢者が大変増えています。今日本は65歳以上の高齢者の人数が20%を越えており、「超高齢社会」と言われるようになりました。これらの高齢者の特徴として、これまで日本が持ち家を持つことを奨励してきたこともあり、持ち家率が非常に高い状況です。

それは、非常に結構なことではありますが、一方では自由に使える金融資産が非常に少なくなるのが通常であり、自宅に代表される不動産の割合が高くなる結果になります。

普通個人の全資産に対する不動産の割合は、約6〜7割と言われています。一般的なパターンとして月収の2,3割を当てて、年収の4、5倍の住宅ローンを長年支払い、場合によってはさらには退職金まで当てて、やっと手に入れるマイホームということで、「サラリーマン双六」の上がりになっていました。これで全て「人生が完結した」ということです。

しかし、良く考えてみると、夢の理想的なマイホームで子供と一緒に住んでいる期間は意外に短いものです。生まれた子供も20年も経てば、大きくなって状況が変わってきます。都会に出て行ったり、独立して就職したりすれば、場合によっては取得後10数年〜20年で、理想的な(子供部屋があるような)マイホームは予想外に大きく不便なものになります。

建築後20年以上も経過すると、外壁や屋根などの補修など、大規模な修繕も必要になります。子供部屋はガランと空いてしまい、子供の使っていたものがそのままになっており、夫婦2人暮らしでは、掃除するのさえも家の広さが広すぎ扱いにくいと思い始めます。

マイホームの「作り」には、「標準的なパターン」というものがあるようです。一戸建ての場合、延べ床面積が120?〜140?、子供部屋が半分以上を占めており、1階は、和室とLDKだけといった間取りが多く、夫の書斎があることは稀ということです。

こんな状態ですから、退職後は、夫のいる空間がないとのことです。これも妻から見ると定年後は何となく夫が鬱陶しい、どこかに行って欲しいと思われる原因になっているのかもしれません。

定年後やっと長期のローンが終わって、人生を掛けてやっとマイホームを手に入れ、安心して終生住むということが、何となく頭に刷り込まれていますが、本当にこれでシニア時代も満足行く生活が送れるのでしょうか?はなはだ疑問です。

2階建ての家は、結構急な階段があることも多く、シニアになると足腰が弱くなり住みにくいものになります。また、風呂場なども温度差やふとしたことが原因で溺死も多く問題となっています。

今良く「箱物からソフトへ」と言われていますが、これは自宅にも言えることで、人生の楽しさ、満足感は「箱物=自宅」を手に入れても、それだけで満足できるものではありません。自宅を獲得することに全精力を注ぎ込むような生き方では、その後に生活スタイルと資金両方にも支障が出てくることにもなります。もっとソフト面=暮らし方に重点をおいた過ごし方に変えていく必要があると思います。

こう考えると「住みづらくなった、不便で大きいマイホームで一生住む」ということが本当にシニアにとっても最高かどうかは、状況により考えていく余地があるでしょう。

最後まで自宅にしがみつくと、そこで思わぬ事故(風呂場や階段での事故が多い)に遭ったりして、寝たきりになってはつまりません。あわてて別の場所を見つける必要にも迫られてもなかなか適当なものは見つかりません。

長寿時代になって長い時間を過ごすシニア時代を楽しく有意義に住むには、これまで以上に「住み替え」というものを考えていく必要があるでしょう。若い時も老いた時も同じ住処では、住みづらいのは当たり前でしょう。また、それだけでなく、維持コストも高いことになります。

そして楽しく生きるためには、やはり資金が固定しているのではなく、流動化でき使える金融資産があると助かります。

使いにくい自宅を一定期間誰かに貸しておき、その間賃料を得て自分の希望する場所で暮らし、そのままでも良いし、戻りたくなったら自宅にも戻れれば非常に都合良いですね。シニア時代には、より早い段階で「住み替え」することも、今後選択肢として必要があるでしょう。

このような希望をかなえる1つの方法として、平成18年より「公的移住・住み替え支援制度」が作られました。この制度の特徴は、以下のとおりです。

?50歳以上の方であれば、誰でも住宅を借り上げてもらえる。
?借り上げた住宅は、子育て時代の世代に転貸し、得られた賃料から管理費を引いたものが収入としてもらえる。
?借り上げが開始されれば、空家等になっても賃料が支払われる。
?転貸は定期借家として3年間待てば、自宅に帰ることができる。

など

使い方次第では、なかなか魅力的に使える制度だと思いませんか?私たちも、シニア期の「住み替え」を重要視して考えていく必要があると思います。


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