住宅ローン控除の申告、しっかりと判断を。

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住宅ローン控除の申告、しっかりと判断を。


執筆者
会社名
HP
: 山下修一
: 有限会社アズ・ユアプランナー
: http://www.ayp.co.jp/

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今年も2月の半ばが過ぎてしまいました。

この時期と言えば確定申告です。2/18日(月)にスタートしましたが、
TVや街中のポスターなどで申告の案内が目に留まるようになってきたと思います。

昨年(平成19年)、住宅ローンを組んでマイホームを購入された方は、確定申告をすることによって、前年に納めた税金が戻ってくる場合があります(還付申告といいます)。

会社に勤務されている方は、あまり確定申告をしたことがないと思いますので、戸惑ってしまい、まだ取り組まれていないかもしれません。もし、これを怠っていると今後還ってくるべきお金(100万円前後になるケースあり)を貰い損ねる結果になります。

また、何処からか案内が来ると勘違いして、ずっと待っておられる方も(極まれですが)見かけます。
現状そのような対応はされていませんのでご注意ください。
(周りに昨年から居住開始した方がいらっしゃれば、念のため声を掛けてあげてください)

税務署のほうでは、ここ1ヶ月は確定申告の相談体制が強化されていますので、必要書類を揃えて持っていけば、ちゃんと申告方法を手取り足取り教えてくれます。わからない場合には遠慮なくどんどん相談に行きましょう。(休日に対応してくれる日がまだ少ないのですが)

さて、今回の住宅ローン控除に関しては従来と大きく異なる点が1つあります。
それは控除してもらえる期間の選択肢が2つ用意されていることです。
従来の(1)10年間に加えて、(2)15年間という制度が創設されました。

各年末の住宅ローン残高(対象は2,500万円以下の部分)について、

 (1)の場合 10年間の制度 01〜 6年目 1.0% 07〜10年目 0.5%
 (2)の場合 15年間の制度 01〜10年目 0.6% 11〜15年目 0.4%

という控除率が設定されています。この率を単純に積算してみますと、

 (1)の場合 (1.0×6)+(0.5×4)=8.0
 (2)の場合 (0.6×10)+(0.4×5)=8.0

となります。お判りのように(2)のほうが期間が長いからと言って(1)より有利だという訳ではありません。
積算結果は同じです。誤解がないようにしていただきたいと思います。

余談ですが、私は(1)を「太く短くコース」、(2)を「細く長くコース」と名前を付けて呼んでいます。

あと、誤解と言えば「住宅ローンの年末残高×控除率」が必ず戻ってくると思っている方を結構見かけます。この制度は納めた税金(それも所得税という国税[注*1])が還ってくるものなので、その税金分からしか戻ってこないのです。これは大変重要なポイントです。

ですから「どちらが有利になるのでしょうか?」については、
今の時点では「断定的にはわからない」というのが回答です。

何故なら、控除を受ける方の今後15年間の住宅ローンの残高がどうなるのか?
そして15年間納める所得税額がどうなるのか?その2点によって影響されるからです。

控除の期間が終わりになる頃にようやくハッキリしますが、どちらが有利になる可能性が高いかは予測できます。
(ちなみに国税庁のHPでも控除額をシュミレーションして比較が出来ると謡われて
 いますが、単に各年の住宅ローンの残高×控除率の合計の違いしか出てきません。
 実際に受けられる控除額を弾き出す点ではもう1歩というところです)

1つモデルケースをご紹介します。制度の理解と判断のご参考にしていただければと思います。
以下のようなご家庭で考えてみます。

○家族構成(現在3人家族)
 夫:32歳 会社員 妻:30歳 専業主婦
 第1子:3歳、あと1人子供を予定、第2子は2年後に誕生するものとします。

○住宅ローン:今後の概況
 ・初回返済日:2007年2月27日、借入額:3000万円、金利:全期固定2.8%
  返済期間:35年 繰上返済は2年後から2年毎に100万円を行うものとします。

○夫の収入:今後の概況
 ・現在の年収は550万円、毎年25万円ずつ増えていくものと想定します。
    (参考までに40歳時点は850万円、45歳時点は950万円)
 ・社会保険料控除は2007年4月時点の料率を適用し、便宜上同じ料率が続くと
  します。また所得税の税率や計算方法も同じルールとします。
 ・生命保険料控除は50,000円、その他の控除はゼロとします。

会社員のご家庭で一般的なケースと思いますが、この場合にどうなるのでしょうか?
試算した結果をご覧ください。



右端の2列をご注目ください。ローン残高×控除率の合計は従来(1)のほうが新設(2)よりも多い結果ですが、所得税を考慮しますと従来(1)ではなく新設(2)のほうが多くなるだろうという結果になります(その差は約30万円)。

ですから、何も考えず従来の(1)を選んでしまうことがないよう慎重に見極めたいものです。

「住宅ローン控除を選択する際、住宅ローンの残高だけで判断するのは片手落ちです。」

今後払っていく税金のことも想定しながら判断するのが正解だと言えます。所得税の計算は一見難しいように思ってしまいますが、国税庁HP:確定申告書作成コーナーでは自動的に算出ができるようになっています。この機会に色々と確認されてはいかがでしょうか?

今回はそのことをお伝えさせていただきました。

申告期限は3/17(月)まで、まだ時間はあります。
頑張って取り組んでみてください。

[注]
*1:平成19年入居の方は所得税からの還付のみになります。ただし、平成11年〜18年入居の方は地方への税源移譲の影響で、所得税から控除できなくなった分は住民税からも還付してもられる制度があります。以下のURLをご参考ください
国税庁HP



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