返済リスクに備える住宅ローン

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返済リスクに備える住宅ローン


執筆者
会社名
HP
: 山下修一
: 有限会社アズ・ユアプランナー
: http://www.ayp.co.jp/

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住宅ローンという商品とは、実行時点の年齢によっては、これまで生きて年数に近いぐらい、長期に付き合うものですから、返済途中でのリスクが気になることが多いと思います。

世の中は変化がつきもの、やがて自身を取り巻く状況も変わり、最初は順調だった返済にも支障出てくるケースは考えられます(人生山アリ谷アリで大丈夫とは言い切れません)。

返済に支障が出る理由として、主に3つのケースが挙げられると思います。

●健康を害したとき
●家屋に損害があったとき
●勤務先の倒産等で失業したとき

そのようなときに住宅ローンの返済を助けてもらうため、
住宅ローン商品に付保(保険の特約の形が多い)されているものがありますので、 以下見ていきたいと思います。

●健康を害したとき

・がん特約

がんと診断されると住宅ローン残高の50%〜100%の返済を免除されるものです。
保険料として住宅ローンの金利に0.1〜0.2%程度上乗せされているのが一般的です。
対象となるがんにも注意が必要です。初期がんと言われる上皮内がんや特定の皮膚がん等は対象外です。がんの場合でも生まれて初めてかかった場合に限定されます。

・三大疾病特約

上記のがん保障に加えて、脳卒中や急性心筋梗塞が対象になります。
脳卒中や急性心筋梗塞の場合は一定状態になった時という条件が付くので注意しましょう。初めて医師の診療を受けた日から60日以上所定の状態が継続したと医師によって判断されたことという条件でハードルは低くありません。
現実に聞いたケースでは、心筋梗塞でも「急性でない」ケースですと外れてしまうそうなので、対象となる症状には誤解が無いようにしましょう。
保険料として住宅ローンの金利に0.3%程度上乗せされているのが一般的です。

・七大疾病特約

三大疾病からさらに対象を広げたものです。 高血圧疾患、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全などの成人病を対象にしたものが一般的です。また女性であれば、女性特有の疾病や妊娠に伴う身体障害も保障するものも出ています。
保険料として性別・年齢・お借入残高・毎月の返済額によって変わる月払いの保険料型を採っているようです。

・一般的な病気やケガ

「ローン返済支援保険」と呼ばれるもので、30日を越える病気やケガによる入院(医師の判断によって自宅で療養している場合も含みます)の場合に、ローンの返済を肩代わりしてくれます。
   ・てん補期間は3年間〜5年間
   ・金額は年間ローン返済額の1/12
   ・就労不能の免責期間は30日

保険料は銀行が提携している損保会社によって異なります。目安としては住宅ローンの返済月額1万円につき100円台と考えておくと良いでしょう。

これまでご紹介した保険となっているものには加入要件として告知が必要で、故意または重大な過失で事実を告げなかった場合には保障対象外となります。

●家屋に損害があったとき

・自然災害時返済一部免除特約

ご自宅(ご融資対象物件)が、地震・津波・噴火・台風・豪雨・強風などの自然災害に罹災した場合に、その程度に応じて、住宅ローンのご返済が、一部免除となるものです。その保険料として住宅ローンの金利に0.1%程度上乗せされているのが一般的です。保障を受ける際に、罹災の事実や程度(全壊・大規模半壊・半壊)の確認のため市区町村等が発行する「罹災証明書」が必要になるので注意してください。

罹災状況と免除の一般的な目安は、建物の主要部分の損害割合が
・50%以上。全壊 ・・・24回の返済免除
・40%〜50%未満、大規模半壊 ・・・12回の返済免除
・20%〜40%未満 、半壊 ・・・6回の返済免除
「一部損壊」は対象外となります。

注意したいのは免除が一般的な意味と異なることです。実際には「払い戻し」という手続きが発生します。住宅ローンの返済自体が停止するものではなく、手続きした後で約定返済額(元金および利息)相当額を返済用預金口座へ払い戻すかたちになります。

●勤務先の倒産等で失業したとき

失業信用費用保険による保障で、ポイントは「非自発的に失業した場合」ということです。
非自発的失業状態の定義は、勤務先の倒産・会社事由による解雇・平成13年4月1日施行雇用保険法の特定受給資格者に規定された一時的な希望退職・退職勧奨等により、本人の労働の意思および能力を有する(=いつでも就労できる状態)にもかかわらず失職し、再就職できない状態とされています。

ケガや病気等によりすぐに働けない場合などは非自発的失業状態には該当しないとなっています。非自発的失業状態になって、住宅ローンの返済日が到来した場合に最長6ヶ月(保障期間を通算して36ヶ月)を限度として毎月のローン返済額に充当するための保険金が支払われるものです。ただし、保障の開始はローン実行日から3ヶ月を経過した日の翌日となります。保険料の目安は住宅ローンの借入額100万円につき800円/年間が一般的です。

以上のように見てきました。 あと基本的な知識ですが「保証料」の意味を勘違いされている方もおられます。住宅ローンの返済不能になっても最初に払った保証料でまかなってくれるから・・・と思っていらっしゃるのです。

これは返済不能になった時に、債務者に代わって保証会社が一括して金融機関に住宅ローンを一旦支払ってくれるだけで、返済が免れたわけでなく、後から一括して保証会社へ払うことになるので、くれぐれも誤解されないようにお願いします。

保険料は払い始めてしまうと意識が薄れてしまいがちになります。長期に続くものですから、その負担が保障に見合っているかどうか、既に加入している保障と重なっていないどうかは点検しておきましょう。

今回取り上げた保障はすべての金融機関が取り扱っているわけではありません(むしろ少ないです)。全国津々浦々ある金融機関には、これ以外に保障があるかもしれません。また細かいところで異なっていることがありますのでご了承ください。

加入要件にしても、最初にしか入れない/途中から入れる、保険料にしても金利に上乗せされる/別途保険料を払うものなど、実際にご検討されるときは、さまざまな条件が付きまといますので、納得が行くまで充分に説明を受けるようにしてください。


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