バカにできない「機構団信の特約料」

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バカにできない「機構団信の特約料」


執筆者
会社名
HP
: 山下修一
: 有限会社アズ・ユアプランナー
: http://www.ayp.co.jp/

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既にご存知だと思いますが、「フラット35」の住宅ローンの利用者が加入する住宅金融支援機構の団体信用生命保険の特約料(以下団信特約料と略します)を2009年4月から約3割引き上げるというニュースがありました。

引き上げをする理由は、制度に加入されている人の平均年齢が想定よりも上昇して死亡・高度障害のリスクが高まっていることから、収支が赤字に転落する状況になってきており建て直しを図るためだそうです。

いろいろと値上げが生活者を襲ってきている昨今、団信特約料まで上がってくるとは・・・それにしても“3割”と言う数字はかなりインパクトです。新規に加入される人だけでなく、既に団信に加入している人も対象になりますので来年4月以降に支払いには要注意です。

そもそも住宅ローンに関する諸費用の中で、「団信特約料」はさほど目立ってはいません。まとまった金額ではなく1年毎の支払いのためです。諸費用として記載されるのは1年目の特約料です。一方、かなりのウエイトを占めると言われているのが「保証料」です。こちらのほうは一括払込みが原則であるために多額で目立ってしまっています。ところが、よくよく試算をしてみると「団信特約料」のほうが多いことが往々にして有り得ます。

ここで、なぜ「団信特約料」と「保証料」の2つを着目しているのでしょうか?

「フラット35」と「民間の住宅ローン」とで諸費用の掛かり方を比較する場合に、

 ○フラット35 : 保証料=不要、団信特約料=必要(加入者負担)
 ○民間の住宅ローン : 保証料=必要、団信保険料=不要(金融機関負担)

と整理されているからです。

そのことを頭に入れて、例えば3000万円の住宅ローンを長期固定金利3%で組んだケースで掛かる金額を見ていきましょう。

フラット35の団信特約料は、1年目の支払いは約11万円ですが、2年目以降も支払いがあって総支払額概算が約188万円かかってしまうという結果になります(住宅金融支援機構のサイトにて改定後の特約料で試算)。

民間の住宅ローンの保証料は、そのようなケースでは1000万円に対して20万円前後が一般的ですので、3000万円であれば60万円前後になると考えられます。

そうすると、188万円:60万円≒3:1となるので、団信特約料はバカにできない支出であることになります。団信については1年目の金額でなく支払総額で考えることが大切です。

フラット35では団信の加入は必須ではありません。よって、債務者に万が一のことが起こった場合、住宅ローンの残高を返済できるのであれば民間の生命保険の加入で準備できますが、万が一の場合の手続き上の煩雑さと支払いの安心感、保険料の割安感で団信に加入するほうが優位と思われていました。しかし、特約料が3割もアップになりますとその優位性が薄れていくでしょう。

民間の生命保険で代用できるものとしては、住宅ローン残高をやや上回ってカバーできるように1年毎に減っていくものがあります。たとえば「逓減定期保険」や「収入保障保険」というタイプです。総支払保険料を試算して貰いましたが、団信特約料の総支払額よりも数十万円少ないものを見かけます。

また、通常扱いで加入すると同じぐらいの総支払い額ですが、健康状態が良好扱いで加入(条件:健康診断の数値が一定基準を満たしている+1年以上たばこを吸っていない)すれば、団信特約料より少なくなるものもあります。

ただし、加入に関しては民間の生命保険のほうが審査は厳しいので、住宅ローンの申込み前に加入して保障を確保しておくようなことが必要になると思います。

あと、フラット35でも団信特約料が加入者負担でなく金融機関側が負担するところがありますので、押さえておいてください(りそな銀行のすまいパッケージなど)。

以上のようなことをポイントに、住宅ローンの諸費用を判断するようにしましょう。

冒頭の話に戻りますが、少子高齢化社会がますます進む中、団信の制度に加入されている人の平均年齢はこれからもっと上がりそうな予想をしてしまいます。将来また引き上げがあるかもしれませんね。



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