住宅の購入の決め手となる言葉で「家賃並みの金額で住宅が買えますよ」とすすめられることがあります。
この言葉には意外と説得力を感じる方が多いのではと思いますが、実際にはどうでしょうか。
今回はこのあたりを考えてみたいと思います。
住宅の購入にあたって予算や費用面で注意しなければならないことは、
(1)将来のライフプランやライフイベントを考慮する
(2)住宅価格の他に取得時と取得後にかかってくる費用を考慮するとなります。
(1)が一番重要ですが、この話は次の機会にしまして、今日は(2)の特に取得後の費用を含めて家賃並み住宅ローンを考えていきます。
住宅取得時にかかる費用は
印紙税(売買契約書)、仲介手数料(物件によっては発生)、不動産登記費用(登録免許税、司法書士への報酬)
住宅ローンを組んだ場合…事務手数料、印紙税、保証料、団体信用生命保険料、その他火災・地震保険料、引越費用、不動産取得税(購入後1回、都道府県、一般的な住居の場合には軽減される)
などがかかります。
一方取得後にかかる費用は
・マンション
(1)管理面では、管理費、修繕積立金(併せて毎月平均2.1万円程度)
リクルート「2007年首都圏新築マンション契約者動向調査より)
(2)税金面では、固定資産税、(年4回払い)
(3)生活面では、車を持っている方は駐車場代(毎月)
(4)火災・家財保険、地震保険→保険料は戸建てと較べると安い
・一戸建て…
(1)外壁の塗り替え(5年から10年に1回程度)や配管設備の朽廃への対応
(2)税金面では、固定資産税、(年4回払い)
(3)火災・家財保険料や地震保険料→建物の構造によっては割高になる
などがかかります。
家賃並み住宅ローンを考える時には、取得後にかかる費用を含めて購入価格を考えないと支払がきつくなったり、返済総額が家賃並み相当額になりません。
事例で考えてみます。
現在40歳の方が、90,000円の家賃並みの住宅ローンを組むとしたら、
(条件として85歳まで住み続け、物価変動、家の寿命、頭金は考慮せず。またボーナス払いの併用もなし)
今購入されるとしたら、これから85歳まで支払う家賃は
90,000円×12カ月×45年=48,600,000円
となります。
戸建ての場合で、ここから以下の取得後の費用を想定して引いていきますと、住宅の価格はおよそ、2,100万程度になってしまいます。
固定資産税 6,750,000円(15万×45年)
火災保険 360,000円(8千円×45年)
地震保険 990,000円(22千円×45年)
リフォーム・維持費用 5,000,000円(4〜5回)
ローン利息 12,947,778円(年利 3.5% 30年返済)
住宅価格 21,000,000円(月返済額 94,299円)
==============================================================
合計 47,047,778円
※各費用は大ざっぱな概算ですので、条件や実態で異なることがあります。
意外と諸費用や利息がかかり、思ったほどの住宅価格にならないのではと思います。
ここでカバーするのが、頭金になります。
では定年を意識される55歳あたりで住宅購入を考えた場合には、
55歳時点で住宅購入を検討される場合には
90,000円×12カ月×30年=32,400,000円
固定資産税 3,000,000円(10万×30年)
火災保険 180,000円(6千円×30年)
地震保険 600,000円(20千円×30年)
リフォーム代 3,000,000円(2〜3回)
ローン利息 8,531,802円(年利 3.5% 25年返済)
住宅価格 17,000,000円(月返済額 85,106円)
===========================================================
合計 32,311,802円
以上、家の購入に際しては取得後の費用も考えながら決めていただきたいと思います。
非常に荒っぽい試算でしたが、イメージをつかんでいただければと思います。
|